吟詠は、漢詩の朗吟と短歌・俳句・近代詩などの朗詠の総称です。
かつては漢詩や短歌が中心でしたが、今は自由詩や散文詩なども素材に加えられ、
非常に幅の広いものになっています。
詩はどんな形にしろ、人の心や感情、人の考え方や思想が吐露されたものであるというわけです。
この心のうたともいうべき詩の言葉、つまり、詩語を独特な日本的節調で吟じていくのが詩吟です。
最近の詩吟の音階は、だれでも簡単にわかるように、邦楽の理論に基づいて、漢用数字で表わす方式が取り入れられておりますが、哲山流でも、この方式を取り入れております。次の〈詩吟音階表〉を見てください。
上の“哲山流譜”欄の漢用数字がズバリ音階を示します。左から六番目に書かれている三が音階の中心になる音です。この音は主音とも宮音ともいわれ、詩吟の音階の基準(かなめ)になる音です。句の終わりや吟のしめくくりはすべて、この音階でしめることになっています。
哲山流の節調は、すべて、この音階表に基づいて各詩語にわたって明示されています。ですから、邦楽・洋楽いずれの楽器でも、その楽器で譜面どおりに演奏すれば、節調の流れを容易につかみとることができます。
専用楽器もあります。どなたにも楽しく吟じ奏で一生の趣味・生きがいとなることでしょう。